2020年5月25日イベント

不安材料を可視化して安心へ!”感染させない”お店づくりのために

緊急事態宣言の解除を受け、徐々に店舗を構える事業者も営業を再開しはじめています。
新型コロナウイルス感染症への注意が必要な中、営業再開したい事業者は、一体どのような感染症対策を行えばいいのでしょうか?

今回のイベントでは、感染症専門医である高山先生、一級建築士の田村さん、下地さん、飲食店経営者の白鳥さんをお迎えして「何に気をつければ”感染させない”お店がつくれるのか」超具体的かつ実践できるポイントについてお伺いしていきます。
■イベントの概要はこちら→ https://lagoon-koza.org/archives/6156

沖縄県の新型コロナ発生から今の現状(5/19)

沖縄で感染症が広がる可能性として高山先生が懸念していたのが以下の3つでした。
● クルーズ船で沖縄を経由する観光客の出入り
● 新生活の始まりなどを理由に人の流入が多くなるや春休み
● 大型連休のゴールデンウィーク

感染拡大の可能性も視野に入れていたが、イベント日(5/19)から直近の大型連休となったゴールデンウィークから2週間がたった今、感染者の報告はなく、沖縄での感染症拡大は落ち着いたように見えます。

※イベント開催日となった2020年5月19日は、沖縄県での新たな感染が19日連続で0を記録

新型コロナウイルスの感染が新たに拡大する可能性


新規感染者数0を更新している沖縄での、新たな感染拡大の可能性について感染症専門医の高山先生は以下のように言及しています。

「冬が流行のピークを迎えるインフルエンザですが、なぜか沖縄では夏でも感染が広がる傾向にあります。
その理由として、エアコンの長時間利用が原因で換気されない状態が続くことが挙げられ、新型コロナウイルス感染症でも同じような事例が起きる可能性は否定できません。」

そして、新たな感染拡大の可能性を見据えて、オンラインでできる業務の判別を行っておくことの重要性についても指摘していました。

建築士が考える感染を防ぐための空間作り


画像引用元:タムタムデザインYoutubeチャンネル

一級建築士の田村さんが着目したのが密閉空間の定義についてです。
ご自身も飲食店を経営している田村さんは、お客さんに感染させないことと同じように、感染症対策として取り組んでいることを数値として見える化することの重要性についても言及しています。

■ Co2濃度を可視化して安心した経済活動を

日本では室内の換気の基準として、二酸化炭素濃度が1000ppm以下という数値を示しています。
よりお客さまに安心安全な経済活動を行ってもらうためには、
漠然と「3密を避けています」だけでなく、その数値をしっかり示すことが重要だと指摘しています。

そんな田村さんのオフィスは、二酸化濃度を示す機器を導入しており、安いもので4000円で手に入るので是非、営業再開をする店舗には導入して二酸化炭素濃度の数値を見える化して欲しいとお話していました。

■ 定期的な換気ではなく常時の換気

換気における大事なもう一つのポイントとして挙げたのが、
「定期的な換気」ではなく、「常時空気が循環する風の流れを作ること」の重要性です

換気→密閉→換気だと、医学的視点から見ても問題があると高山先生も言及しています。
限界まで空気のよどみをためておくのではなく、常に風通しを良くしておくことが必要です。

新たな感染が広がらないために

アメリカとヨーロッパでは、あっという間に感染が広がった都市もありましたが、日本での感染の広がりは欧米ほどではありませんでした。
日本での感染症の広がりを最小限に抑えられたのは、「早期の対策」のおかげだったと高山先生は話します。

つまり、次の感染症を広げさせないために必要な取り組みとして、重要なのは第二波に備えて感染が疑われた事例に対して迅速に対応すること。
・体調不良者が学校で複数人でたら早期に検査する!
・体調不良時は高齢者に合わないようにする!
など、感染が疑われる時には、リスクの高い行動を取らないこと、感染リスクの高い方々との接触を控えることが重要です。

飲食店を経営する白鳥さんが専門家に聞く「感染させない店舗設計」

第二部では、沖縄で建築事務所を経営する下地さんと、沖縄市一番街で飲食店を構える白鳥さんをお招きして、実際の経営者を交えたトークが繰り広げられました。

下地さんは国や県のガイドラインを参考に独自でガイドラインを作成しており、その内容は下地さんのYoutubeチャンネルでも公開されております。

画像引用元:Croton(クロトン)建築設計事務所Youtubeチャンネル

ご自身で作成したガイドラインのスライドを元に、店舗で意識すべきポイントについてお話してくださいました。
また、アルコールよりも体に害がない次亜塩素酸水の分布や、トイレやキッチンなどの換気扇を回すことを推奨しています。

見落としがちな視点として、天井にこもる熱を逃し換気の効果も期待できる排煙窓も開けることを推奨していました。

「でんすけ商店」を経営する白鳥さんの店舗の感染症対策


実際に店舗の営業再開中の「でんすけ商店」では換気を目的に、エアコンを常時起動した空気の入れ替えや、アルコール除菌などを徹底しているそうです。店舗経営者の立場から、感染症対策としていくつか質問を投げかけてくれました。

これらの質問に対しては、次亜塩素酸水の分布に必要な機器の導入や、高機能換気設備の導入などが提案されていました。
高機能換気設備とは、大規模感染リスクを抑えるために導入する設備のもので、導入支援として補助金も募集されているので、是非活用して感染拡大防止につなげて欲しいとおっしゃっていました。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/kobo/r02/hosei02.html

まとめ

● 沖縄の感染拡大は落ち着きを見せている(5/19現在)
● 夏の換気不足が新たな感染拡大につながる可能性も
● 二酸化炭素濃度を数値化して店舗利用者を安心させよう!
● 「定期的な換気」ではなく「常時換気」を徹底しよう!
● 感染症の可能性を感じたら早めの対応を!

このイベントレポートまたは、動画(Lagoon Youtubeチャンネル)を参考に、安心安全な営業再開が広がっていくことをを願っております。