2025年10月23日イベントレポート

「第9期スタートアップラボ ガイダンス」開催レポート

― 卒業生が語る、起業の“リアル”と“はじめの一歩” ―

Lagoon KOZAで開催された「スタートアップラボ ガイダンス」。
今回は、前期(第8期)を修了した卒業生3名をゲストに迎え、受講前の葛藤から、学びの発見、卒業後の変化までを語ってもらいました。
「家族や仕事との両立は?」「アイデア段階でも入っていいの?」――そんな、これから挑戦を考える人たちのリアルな疑問に、卒業生たちはひとつひとつ、自分の言葉で答えてくれました。

スタートアップラボとは

Lagoon KOZAが運営する「スタートアップラボ」は、3ヶ月・全6回の実践型プログラム。
起業のアイデアを“思いつき”のまま終わらせず、事業として形にするプロセスを、専門家やメンターとともに体系的に学びます。
「やりたいこと」「やるべきこと」「求められていること」。
この3つの交差点を見つけるのが、スタートアップラボのゴールです。
受講生は、隔週の講座(各回19:00〜21:00/最終回のみ18:00〜21:00)に加え、何度でも受けられる個別メンタリングや、金融機関・エンジニア・マーケターなどとの専門家マッチングを通して、自分のアイデアを磨いていきます。
そして最終回では、金融機関職員や沖縄市職員、先輩起業家を前に、自らの事業計画をピッチ。
支援機関スタッフや資金調達サポーター、エンジニアなど様々な視点のサポーターがコメントを返す、まさに「実践の最終リハーサル」となる場です。
参加費は無料。定員は10名。
対象は、「こんなテーマで創業したい!」とキーワードが浮かび始めている人です。

卒業生たちが語った、“受講前”と“その後”

登壇したのは、次の3名。
福井さん:地域共同売店の仕組みを守るビジネスを構想中
賀数さん:介護分野で新たな「支え合う」仕組みづくりを模索
古橋さん:やちむんフィギュアを通じた社会貢献を目指すクリエイター

「受講前はどんな状態でしたか?」という問いに、3人はそれぞれの“はじまり”を振り返りました。

自分のアイデアは完成した野菜だと思っていたけど、実はまだ種の段階だった。

地域を支えたいという想いはあったけれど、収益の仕組みまでは描けていなかった。

壮大な夢を描いていたけど、どこから手をつけていいかわからず空回りしていた。

トークセッションのハイライト

① 「不安はあっていい」――仲間と出会う勇気

印象的だったのは、古橋さんの言葉。
「みんな不安なんだって分かったのが、一番の学びでした。立派に見える先輩も、不安を抱えながら進んでる。それを知って、勇気が出たんです。」
隔週2時間の授業は、単なる講義ではなく「孤独に考えていたアイデアを、人と交わして磨く時間」。ひとりでは生まれなかった視点やつながりが、次の行動を後押ししてくれたといいます。

② “できている”つもりのアイデアを、もう一度“種”から見直す

賀数さんは「最初はもう“収穫できる野菜”だと思っていたけど、実はまだ“種”だった」と話しました。
スタートアップラボでの講座やワークを通じて、なぜその事業をやるのか、誰のどんな課題を解決するのかを問い直し、「芽を育てる感覚を学んだ」と振り返ります。
結果、自分のアイデアが“想い”から“検証できる計画”へと変わっていったそうです。

③ 「やりたい」「やるべき」「求められている」を重ねる

福井さんは、会社員として働きながら受講。
「会社では整った環境で働けていたけれど、いざ自分で事業を考えると、何を、どう始めればいいのか分からなかった」と話します。
スタートアップラボを通じて、「やりたいこと」「やるべきこと」「求められていること」の交わる点を意識できるようになり、 “ボランティアではない、持続可能な事業”を設計する力が身についたといいます。

卒業後の動き、そして広がる変化

卒業後も、3人の挑戦は続いています。
福井さんは来年の夏に法人設立を予定し、観光客向けの予約・決済プラットフォームの開発を検討中。
賀数さんは自社施設をモデルに、企業・介護現場をつなぐ新しいプロジェクトを進行中。
古橋さんは「15年後の理想像」から逆算したロードマップを描き、より大きな社会的インパクトを目指しています。

「この3ヶ月で考え方の癖が変わった。 もう一度立ち止まって、自分の“Why”と向き合えるようになった」――3人の共通点はそこにありました。

次期スタートアップラボ 概要

まずは、説明会へ

10月29日(水)19:00〜20:00@Lagoon KOZA
ゲストには、第5回講師の上原宇行さん(ユアトリー株式会社 代表取締役)をお招きし、
「起業の“しくじり”と“やってよかったこと”」をテーマにトークイベントを開催します。

スタートアップラボの雰囲気を感じたい方、仲間を見つけたい方は、ぜひご参加ください!